マリアカラスの日本初公演を実現
ディーバの来日
第3回大会は世紀のプリマドンナ・マリアカラスが初来日し、世界的テナーのジュゼッペ・ディ・ステファノも日本に来たことで、各界から注目された。コンクール終了後に入賞者へ指導する「ゼミナール・コンサート」が行われ、カラスとステファノの声に魅了された。そして、コンクールの来日がきっかけで、カラスとステファノのジョイント・リサイタルがNHKホールで開催されたのである。この翌年、カラスは亡くなっている。ジュゼッペ・ディ・ステファノはかの偉大なエリンコ・カルーソが没した1921年に、イタリアの最南端、地中海に浮かぶシチリア島東岸の古都カターニアに生まれた。早くからその天性の美声を認められ、カルーソの再来と謳われた。1947年、メキシコ・シティーでのマリア・カラスとの最初の出会いで「ラ・トラヴィアータ」に出演して絶賛を浴びたステファノは、1949年のニューヨーク・メトロポリタン歌劇場でのカラスとの再演によって世界的名テナーとしての名声を不動のものとした。以来、ステファノ独自の甘く、みずみずしく、輝きに満ちた美声と、南国生まれ特有の激しい情熱は、生粋のベル・カント唱法と相俟って、世界中を熱狂させ魅了してきた。
そして1973年、第3回マダムバタフライ世界コンクールの特別ゲストとして、マリア・カラスとともに「ゼミナール・コンサート」を大阪フェスティバルホールで行い、翌年の秋には、この世紀のプリマドンナとの世界演奏旅行の閉幕をNHKホールをはじめ、日本各地のジョイント・リサイタルで飾っている。
マリア・カラス
1923年12月2日、ニューヨーク生まれ。20世紀最高の歌姫とまで言われたソプラノ歌手。1936年からギリシャに渡りアテネ音楽院にてエルビーラ・デ・ヒダルゴに師事。1938年、アテネ王立歌劇場でサントゥッツァを歌いデビュー。1947年にイタリアのヴェローナで成功を収め、その後卓越した歌唱力と演技力、美しさを兼ね備えたディーバとして世界中で活躍した。1977年9月16日、パリの自宅にて55年の若さで短い生涯を閉じる。彼女の類稀な才能は、多くの聴衆を魅了するとともにその後の歌手にも強い影響を及ぼした。
ジュゼッペ・ディ・ステファノ
1921年、シチリア島に生まれる。1947年にミラノスカラ座、1948年ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場にてデビュー。その後、マリア・カラスと多く共演する。魅力的な容姿、豊かな歌唱力で人気のテノール歌手となる。1992年ローマ・カラカラ大浴場跡での野外オペラ「トゥーランドット」の舞台を最後に現役を退く。2008年ミラノの自宅で死去。

